人と地球の再生メディア

21 Feb. 2022

(re)generate! MAGAZINE RADIO

ヴィーガンと肉食を公平に再考してみた

『(re)generate! MAGAZINE RADIO (リジェネレートマガジンラジオ)』は、”人と地球の再生”をテーマにお届けする(re)generate!の音声プログラム。地球環境や人間の身体を軸に、新しい生活習慣やムーブメントなど、ワクワクする興味の種をマガジン編集部が探っていきます。


第二弾のスピーカーは「肉食を絶対否定しないVeganフードメーカー」ULTRA LUNCH代表ドミンゴさん。

リジェネレートマガジン編集部は、肉食の食文化が与えている環境への負荷と、菜食に期待される地球と人の健康の回復に興味がありました。


ドミンゴさんの「たまには美味しくてカラフルなヴィーガン食に置き換える」という提案は、0か100かの議論よりずっと有意義で実行可能な提案だと捉えています。


第一弾に引き続き、2021年4月に静岡県沼津市で開催したイベント「(re)generate!」のトークショー録音音源を再構成してお届けします!

美味しく楽しく問題解決
Veganフードメーカー 『ULTRA LUNCH』

他の音声プラットフォームはこちらから

トークショーのスピーカーは、東京八王子が拠点のVegan(完全菜食)フードメーカー「ULTRA LUNCH」代表ドミンゴさん。ラテン系の陽気なお名前は、もちろんニックネームです!

「肉食を絶対に否定しないveganフードメーカー」ULTRA LUNCH ドミンゴさん

ドミンゴさん経営の「ULTRA LUNCH」は、完全菜食メニューの開発から、ケータリングサービス、さらにお湯を注ぐだけで食べられる携帯食「BIVOUAC RATION (ビバークレーション)」の提案、ナッツやスパイス、オリジナルアイテムの通販などを行っています。

ULTRA LUNCH 誕生のきっかけ

ドミンゴさんは、ご自身の趣味でもあるトレイルランニングに定番の「甘いエナジージェル」に替わる補給食を提案したいと、およそ9年前に「ULTRA LUNCH」を創業しました。

「これ肉入ってないの?」と思わず口にしてしまうほど、ドミンゴさんが提案する菜食メニューはハイカロリーで満腹感があり、カラフルでワクワクして、しかも美味しい。長距離ランナーに必要なカロリーを備えた「強い菜食メニュー」は仲間うちで評判を呼び、長く勤めていた音楽業界から飲食業界へと大きく舵を切るきっかけになったそうです。

食の未来を示唆する “オリジナルカロリー” とは?

大阪で誕生したドミンゴさんの幼少期の記憶から、ポッドキャストは始まります。そして80年代から90年代のバブル期を経て、日本人の食生活がどのように変化し、青年期のドミンゴさんは何を思っていたのか。子ども時代の特別な日の思い出、懐かしい光景や食べ物の匂いを、ともに想像しながらドミンゴさんのストーリーは続きます。

そして大学時代、ドミンゴさんは「オリジナルカロリー」という概念に出合います。オリジナルカロリーとは、食肉生産のために消費された家畜飼料のカロリー総量のこと。具体的には、300kcalのフィレステーキができるまでに、4000〜5000kcalの穀物飼料が必要である、という考え方です。もし、この飼料となる穀物や野菜を、家畜を介さずにおいしく食べることができたなら、人間の食料資源は10分の1以下で済む計算になります。

「肉食を絶対に否定しない」Veganフードメーカー

ULTRA LUNCHは「肉食を絶対に否定しない」Veganフードメーカーです。

「そもそも人間は肉食なの?」という疑問を持ったことはありませんか?猿から進化したとされる人間を、人間たらしめたものは何だったのでしょうか。

ストーリーはドミンゴさんの生い立ちだけにとどまらず、さらに太古の人類誕生の話にまでさかのぼり、文化人類学や生物学の範疇にまで広がっていきます。

2021年4月に静岡県沼津市 INN THE PARKで開催したイベント『(re)generate!』トークショーにて Photo by Toru Tachizawa

世界人口100億人を目前にし、私たちは何を食べるのか?

2050年までに世界人口は100億人に到達すると予想されています。いま日本全国に56,000軒余りもあるコンビニエンスストアのレジ横に、当然のように陳列されている鶏のからあげは、果たして何年先まで持続できる選択肢なのでしょうか。

かつては宗教的な理由か動物福祉のため、または食物アレルギーなどの理由から選択された菜食主義。昨今の先進国では「環境保護のため」に菜食を選ぶ人が増えています。地球温暖化や人口増加による食糧不足などの環境問題解決の糸口のひとつとして「菜食」に光が当てられています。

選択された食習慣は、ときに趣味嗜好の枠を超えて、人格をも決定づける「主義思考」のトピックになりがちです。そして菜食主義が善とされると、そうではない人たちが悪になる。ドミンゴさんは、そうして善悪を決めたり、食肉産業と戦ったりするのではなく、食文化の過去と現状と未来について、「美味しく楽しく」一緒に考えることを提案しています。

今夏に本の出版が決定!
『ニュー・ダイエット:食いしん坊の大冒険』(木星社)

ULTRA LUNCH創業以来9年間、菜食メニューの提案を通じて、ビジネスと社会活動を展開してきたドミンゴさん著述の本の出版が、このたび決定しました!2022年初夏に出版予定です。

出版社の木星社さんホームページより、現在予約注文ができます。
『ニュー・ダイエット:食いしん坊の大冒険 THE NEW DIET : Further Essays in a Culinary Adventure』(著:ドミンゴ from ULTRA LUNCH ISBN 978-4-910567-04-4)
木星社 予約注文ページhttps://mokusei222.stores.jp/

私たちにとって欠かすことのできない営みである「食べること」は、心身の健康、思想、社会の仕組みや経済、地球環境と密接に影響しあいながら、大きな変化の渦中にあります。「健康」指向や、特定の信条、動物愛護、経済原理や食肉産業の構造といったことが複雑に関係しあい、一面的な見かたのみでは解決され得ない「フード」について、私たちはどのような考えを抱くでしょうか?

『ニュー・ダイエット:食いしん坊の冒険者』では、長い年月をかけて「食べること」を考え、ヴィーガン(菜食)ブランド『ULTRA LUNCH』を運営してきたドミンゴ氏の、繊細で、ときに複雑な印象を帯びる言葉が綴られます。

引用:木星社

序章の21ページ分は、木星社さんのホームページで現在特別に無料公開されています!

そして、出版を記念して木星社さんのポッドキャストでも、ドミンゴさんとの対談が公開されています。
(re)generate! MAGAZINE RADIOと併せて、ぜひお聴きください!

木星社 mokusei publisher’s Podcast “Thursday – Vocalizing Emotion”

ULTRA LUNCH
ホームページ:https://ultralunch.net/
Instagram:@ultralunch

プロフィール

ドミンゴ

1972年大阪生まれ、ソウルミュージック育ち。

大阪、東京、シンガポール、ロンドンなどでFMラジオ〜音楽の仕事を経て、学生の頃から関心を寄せていた食品に関する仕事へ大きくハンドルを切る。

"nice to be important, but more important to be nice."
を座右の銘に、補給食、携行食など「強い菜食メニュー」の研究開発を行っている。

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