自分たちの周りで起きていることこそ面白い
人によって定義も解釈も異なる「リジェネレート(再生)」「リジェネラティブ(再生可能)」という言葉。ポッドキャスト冒頭では、サステナブルやエシカルのように、これらを、”いわゆる環境系”のキーワードとして型にはめてしまうことがもったいないという話題から始まります。
地球環境や身体にとってより望ましい選択肢は、人から「こうあるべき」と正義で押し付けられても、なかなか「自分ごと」にはできないもの。自らが実践して「楽しいし、気持ちいいし、こっちのほうが心地よい」と感じられるものなら、結果的に続けられるし、周囲も巻き込んでいけるのでは?というのが千代田・小峯の意見です。
現在二人の周辺で流行っているのは、自然農法や食、ヨガ、雪板、スラックライン、スケートボード、大地の再生、シャンプーや歯磨き粉を使わない暮らしなど。彼らにとって「リジェネレート(再生)」は趣味や遊びの地続きにあります。そんな自分たちの興味の種をアウトプットして、その影響の輪を広げていくことが、当メディアとイベント(re)generate! が目指す未来です。
僕らが理想とする組織は土の中にある
2020年、新型コロナウィルスで人々の生活が一変したのとほぼ同時に、小峯氏の提案で始まったのが農園事業。化学肥料や農薬を使わず、土の中の微生物の生態系や循環を活かして野菜を作る自然農法を実践しています。奇しくも、会社組織運営のヒントも土の中で発見しました。
「草と虫と、微生物と育てたい野菜と、水と空気と、依存しあった完璧な調和が自然の中にはある」
ギブアンドテイクではない、健全にお互いが依存し合ったチームを目指したいという新たな目標も、足元から見つかりました。未経験でも自然農法に挑戦してみなければ、得られなかった気づきです。
道具とのコミュニケーションを再考する
ポッドキャスト後半(2本目)では、2023年6月に始動したオリジナルブランド「Moonlightgear Equipment(ムーンライトギア・イクイップメント)」についても言及しています。
同ブランドのディレクションも担当する小峯氏は、製品に関して「いわゆる正解は作りません」と宣言。数値化できるスペックありきの高機能ギアでは、「道具の能力に大きく依存した道具とのコミュニケーション」になり、そこには山での安全を揺るがすリスクも潜んでいると言います。
ミニマルな道具だからこそ自分の身体との対話が始まる
編集長 千代田は、自分の体と向き合うための道具と、競技や大会で記録を残すための道具の違いについても言及します。会社の部下たちと吉野から熊野までの修験道「大峯奥駈道」を歩いたときに発症したひざ内側の痛みを例に、ミニマルなシューズ Vivobarefoot だからこそ可能だった自分の身体との対話について話しています。
道具はあくまで自分の能力に寄り添うもの、と言う千代田と小峯。便利で快適な都市生活を離れ、「自然と自分の境界をいかに曖昧にできるか?」を追求することが、アウトドアレジャーの醍醐味でもあります。高機能ギアという武装を解き、自然との一体感を感じられたときにこそ、真の心と体の再生が始まるのではないでしょうか。
「種」は無理やり発芽させるものではなく、自ら水をやり芽吹きを待ち、発芽後も手入れをしながら育てていくもの。当メディアやイベント(re)generate!も、読者や参加者の皆さんが、つい育てたくなる興味の種を見つけてもらえる場所になれたらと願っています。
白熱対談全編は、ぜひポッドキャストでお楽しみください!
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