人と地球の再生メディア

18 Jul. 2023

Nomadics, inc 共同代表 千代田高史 × 小峯秀行

僕らにとって
再生って何だろう?

久々の更新となりました『(re)genereate MAGAZINE RADIO(リジェネレートマガジン・ラジオ)』。第5回目の配信は、当マガジン編集長の千代田高史とNomadics,incを共同経営する小峯秀行両氏によるクロストークです。

同社を代表する事業は、軽量で独創的な世界中の山道具を提案するアウトドアショップ『Moonlightgear - ムーンライトギア』。一方で、山岳アドベンチャーレース「OMM - オリジナルマウンテンマラソン」の主催や、ミニマルなシューズブランド「Vivobarefoot - ビボベアフット」の日本総代理店なども、同じくNomadics, incが仕掛けているということは意外と知られていないようです。

『(re)generate! MAGAZINE RADIO(リジェネレートマガジン・ラジオ)』ポッドキャストでは、両氏によるおよそ2時間もの白熱対談を前半と後半の2回に分けてお届けします。

創業時の思い出話からコロナ禍の葛藤、6月に始動したオリジナルアパレルブランド、9月に控えたVivobarefoot東京直営店のオープン、そして両氏が目指す当メディアと沼津イベント「(re)generate!」の未来について、"月曜朝8時半からの収録"とは思えない熱量で語ります。
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自分たちの周りで起きていることこそ面白い

人によって定義も解釈も異なる「リジェネレート(再生)」「リジェネラティブ(再生可能)」という言葉。ポッドキャスト冒頭では、サステナブルやエシカルのように、これらを、”いわゆる環境系”のキーワードとして型にはめてしまうことがもったいないという話題から始まります。

地球環境や身体にとってより望ましい選択肢は、人から「こうあるべき」と正義で押し付けられても、なかなか「自分ごと」にはできないもの。自らが実践して「楽しいし、気持ちいいし、こっちのほうが心地よい」と感じられるものなら、結果的に続けられるし、周囲も巻き込んでいけるのでは?というのが千代田・小峯両氏の意見です。

2023年5月 ノマディクス農園にて 地中の水と風の循環を回復させる施工法と心構えを学ぶ「大地の再生」講座

現在両氏の周辺で流行っているのは、自然農法や食、ヨガ、雪板、スラックライン、スケートボード、大地の再生、シャンプーや歯磨き粉を使わない暮らしなど。彼らにとって「リジェネレート(再生)」は趣味や遊びの地続きにあります。そんな自分たちの興味の種をアウトプットして、その影響の輪を広げていくことが、当メディアとイベント(re)generate! が目指す未来です。

2023年2月 Moonlightgear 3店舗をひと月休業して北海道で行われた雪板合宿 (@nomadics.inc より)

僕らが理想とする組織は土の中にある

2020年、新型コロナウィルスで人々の生活が一変したのとほぼ同時に、小峯氏の提案で始まったのが農園事業。化学肥料や農薬を使わず、土の中の微生物の生態系や循環を活かして野菜を作る自然農法を実践しています。奇しくも、会社組織運営のヒントも土の中で発見しました。

「草と虫と、微生物と育てたい野菜と、水と空気と、依存しあった完璧な調和が自然の中にはある」

ギブアンドテイクではない、健全にお互いが依存し合ったチームを目指したいという新たな目標も、足元から見つかりました。未経験でも自然農法に挑戦してみなければ、得られなかった気づきです。

農薬や堆肥を使わず土も耕さない”自然農法”を実践するノマディクス農園 (@nomadocs.inc より)

道具とのコミュニケーションを再考する

ポッドキャスト後半(2本目)では、2023年6月に始動したオリジナルブランド「Moonlightgear Equipment(ムーンライトギア・イクイップメント)」についても言及しています。

同ブランドのディレクションも担当する小峯氏は、製品に関して「いわゆる正解は作りません」と宣言。数値化できるスペックありきの高機能ギアでは、「道具の能力に大きく依存した道具とのコミュニケーション」になり、そこには山での安全を揺るがすリスクも潜んでいると言います。

2023年6月満を持して誕生したオリジナルブランド Moonlightgear Equipment(@moonlightgear__equipmentより)

ミニマルな道具だからこそ自分の身体との対話が始まる

編集長 千代田は、自分の体と向き合うための道具と、競技や大会で記録を残すための道具の違いについても言及します。会社の部下たちと吉野から熊野までの修験道「大峯奥駈道」を歩いたときに発症したひざ内側の痛みを例に、ミニマルなシューズ Vivobarefoot だからこそ可能だった自分の身体との対話について話しています。

道具はあくまで自分の能力に寄り添うもの、と言う千代田・小峯両氏。便利で快適な都市生活を離れ、「自然と自分の境界をいかに曖昧にできるか?」を追求することが、アウトドアレジャーの醍醐味でもあります。高機能ギアという武装を解き、自然との一体感を感じられたときにこそ、真の心と体の再生が始まるのではないでしょうか。

2023年3月 吉野から熊野まで通じる修験道「大峯奥駈道」を後輩たちと歩く(@nakadogより )

「種」は無理やり発芽させるものではなく、自ら水をやり芽吹きを待ち、発芽後も手入れをしながら育てていくもの。当メディアやイベント(re)generate!も、読者や参加者の皆さんが、つい育てたくなる興味の種を見つけてもらえる場所になれたらと願っています。

白熱対談全編は、ぜひポッドキャストでお楽しみください!

Nomadics, inc

ホームページ:http://nomadics.jp/
Instagram:@nomadics.jp

プロフィール

スピーカー紹介

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千代田高史 / Takashi Chiyoda
1981 年、東京都出身。株式会社「NOMADICS」共同代表。
アウトドアショップ「MoonlightGear」代表。
海千山千會/UNHALFDRAWINGでは資源と伝統を“再生”させる試みに挑戦中。
(re)generate!magazine編集長

小峯秀行 / Hideyuki Komine
1983 年、埼玉県出身。株式会社「NOMADICS」共同代表。
VIVOBAREFOOT JAPANディレクター OMM JAPANディレクター
2023年よりブランドである「MoonlightGear」のディレクターを務める
自然農法の畑を実験中。遊びの開拓をモットーに強烈な熱量でNOMADICSを率いる。
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